2015年10月20日火曜日

教育動向: ビル・ゲイツがゲイツ財団の教育分野での活動についてスピーチ

アメリカの教育動向(久原みな子)

 10月7日、ワシントン州ベルビューで行われたビル&メリッサ・ゲイツ財団主宰の教育フォーラムで、ビル・ゲイツが財団のこれまで15年間にわたる教育分野での仕事についてスピーチした。

 ゲイツ財団は、2000年代初頭、ハイスクールの規模縮小化を皮切りに教育問題に着手した。のちにオバマ政権誕生と足並みを揃えるかのように、教師の質こそが生徒の学力向上に影響を与える要素であるとして、教師評価システムの確立とコモン・コア・カリキュラムと学力テストの開発・導入に力を入れてきた。1999年からこれまでに、ゲイツ財団はおよそ40億ドルを教育へ費やしてきたと言われる。

 今回のスピーチでは、財団がこれからも教師の質の向上とコモン・コアを使った学力テストに注力していくことを確認した。しかし、これらに関する最近の議論がまるで、「学力テストの結果のみを使った教員評価か、あるいは全く使われないか」という両極端の選択であるかのようになっていることは問題視しており、学力テストの結果は、授業観察や生徒からのフィードバック、同僚教師や校長からのフィードバック・指導などといった他の要素とともに、教師の評価と昇進を決める様々な要素のひとつとして使われるべきだと主張した。

0 件のコメント:

コメントを投稿