2016年10月15日土曜日

教育動向:ワシントン・ポスト紙の質問にクリントン候補が回答(1)



アメリカの教育動向(久原みな子)


11月の大統領選に向けての選挙活動が本格化する中、ワシントン・ポスト紙は、重要な政策領域であるにもかかわらず、これまでの討論などでは時間の割かれるのことの少なかった教育、特に公立学校に関する政策案や考えを聞くため、クリントン、トランプの両大統領候補へ質問リストを送った。

これに対し、トランプ陣営は、公式選挙ウェブサイトを見るようにと回答、質問リストそのものへの詳しい返答は得られなかった。一方、クリントン陣営は、各質問に答え、それがワシントン・ポスト紙に掲載された。クリントン候補の回答を中心に、数回に分けて内容をお届けする。

まず、教育財政と貧困問題について、クリントン候補は、昨年成立したESSA(Every Student Succeeds Act/すべての生徒が成功する法)のもとに、州や学区と協力しつつ、教育投資がより必要な貧困学区に連邦資金を投入すること、全ての4歳児が就学前教育を受けられうようヘッド・スタート・プログラムの予算を2倍にすることなどを約束した。また、子育てと被扶養者のケアのための税額控除(Child Tax Credit)も拡充する予定である。加えて、教育以外の労働・福祉分野の重要性にも触れながら、子どもの健康増進、保育代の家計への負担軽減などを目指していくと述べた。

子どもの福祉と教育問題は、クリントンが長年取り組んできた課題であり、回答の中でも、ロー・スクール卒業後最初の仕事は児童保護基金(Children's Defense Fund)での仕事であったこと、アーカンソー州知事夫人時代に、就学前の子供のための家庭支援プログラムHome Instruction for Parents of Preschool Youngsters(HIPPY)を導入したことなどに触れている。


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