2016年12月19日月曜日

研究紹介: 米ETSの次世代アセスメントの研究開発動向

 信州大学比較教育学研究室はベネッセ教育総合研究所との共同研究を通じて、新しい学びに対応した新しい評価方法に対する示唆を議論しました。

 アメリカのテスト開発機関であるEducational Testing Service(ETS)では、2007年より、CBAL(Cognitively Based Assessment of, for and as Learning、認知科学にもとづいた学習の、学習のための、学習としてのアセスメント)イニシアチブという長期的な研究開発に着手しています。これまでの標準テストのように生徒の達成度を測るだけでなく、テスト結果が学習や指導に役立つような設計にすること、またテストを受けること自体が教育的な経験になるようなものにすることを目指したプロジェクトです。そこには、学習科学の知見をとりいれたフレームワーク、熟達者の課題解決のプロセスを模した「シナリオ型テスト」という形式、また最新の技術の採用など、様々な工夫が見られます。

 CBALイニシアチブは、学習指導要領改訂や大学入試改革において唱えられている読解力・表現力・思考力の育成および評価方法に対して重要な示唆を与えています。また、日本のアセスメント研究開発における長期的また大規模な研究投資の必要性、認知・学習科学やテスト研究などの多分野の研究者の協働の必要性が浮かび上がってきます。

 本研究の概要については、以下のPDFファイルをご覧ください。

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