2017年9月29日金曜日

国際シンポジウム「国際アセスメント時代における教育行政」のお知らせ

日本教育行政学会と韓国教育行政学会が隔年で主催する国際シンポジウムが以下の通り開催されます。シンポジウムは公開で行われますので、学会員でなくても申込不要・無料でご参加いただけます。ご関心のある方はぜひご参加ください。

※資料の残部があります。ご希望の方は実費にて郵送しますので、メールで送付先をお知らせください。(配布終了)

国際シンポジウム「国際アセスメント時代における教育行政」

日時: 2017年10月14日(土) 13:00~16:45

場所: 日本女子大学 目白キャンパス 香雪館401教室

趣旨: 近年、国際アセスメント、特にPISAが多くの国・地域の教育政策、教育改革に少なからぬ影響を与えている。「学力」の国際比較における優位性を獲得あるいは確保するために、教育内容のスタンダード化やテストとアカウンタビリティ政策を重視するようになった国・地域が多いが、対応の仕方は一様ではない。また、ある国や地域で功を奏したとされる改革や政策が外国に「輸出」されるという現象も現れている。本シンポジウムでは、このように児童・生徒の「学力」のみならず、各国及び地域の教育政策の効果も比較対象となる「国際アセスメント時代」の教育行政の課題をテーマに検討を行う。

報告者: 金 龍      清州教育大学 (韓国)
             Bob Lingard    The University of Queensland (オーストラリア)
             Eva Forsberg    Uppsala University (スウェーデン)(登壇なし)
             Daniel Pettersson    University of Gävle (スウェーデン)
             澤野 由紀子    聖心女子大学
司会:    小島 優生   獨協大学
ファシリテーター: 林 寛平    信州大学

シンポジウムの詳細・発表資料等については以下のリンクをご覧ください。
http://www.jeas.jp/act/conf/

また、翌日(10月15)には、一部報告者を招いて小規模な研究会を開催します。併せてご参加ください。(こちらは、10月6日までにお申込が必要です)
http://nordiskutbildning.blogspot.jp/2017/09/201710.html

【報告者略歴】
Bob Lingard: クイーンズランド大学教授、社会学的視点から教育政策を研究し、Global Education Policyやテスト政策について、多くの論文・著作を発表。主な近著に、Globalizing Educational Accountabilities (Routledge, 2016), The International Handbook of Global Education Policy (Wiley, 2016), National Testing in Schools: An Australian Assessment (Routledge, 2016)など

Eva Forsberg: ウプサラ大学教授、数々の研究プロジェクトのリーダーを歴任する中で、教育ガバナンスやアセスメント文化の研究を進めている。主な近著に、Mølstad, C., Pettersson, D. & Forsberg, E. (forthcoming) A Game of Thrones: Organising and Legitimising Knowledge through PISA Research. European Educational Research Journal.

Daniel Pettersson: イェヴレ大学准教授、Dr. Eva Forsbergとともに、現代における国際アセスメント指標の活用実態と歴史についての研究を進める。主な近著にLindblad, S., Pettersson, D. & Popkewitz, T.S. (forthcoming) Numbers, Education and the Making of Society: International Assessments and Its Expertise. Routledge: London & New York.

金 龍: 清州教育大学教授、教育改革や規制緩和改革について、批判的検討を行い、研究を進めている。主な近著に、Tracing the discourse of autonomy around the education reform of the 1990s in Korea: A critical discourse analysis (Journal of Educational Administration and Policy, v.1.n.1. 2016. pp.41-52)

澤野 由紀子: 聖心女子大学教授、主な研究課題は、ヨーロッパの生涯学習政策とその効果、能動的市民性を育む教育内容・方法の国際比較研究、北欧諸国の子ども行政システム、ロシア・CIS諸国の教育改革。主な著書に、『揺れる世界の学力マップ』(明石書店、2009年、共編著)、『教育改革の国際比較研究』(ミネルヴァ、2007年)等。

※本研究はJSPS科研費 JP16K13521, JP16H05960の助成を受けたものです。

2017年9月26日火曜日

教育動向:「禁書週間」始まる

アメリカの教育動向(久原みな子)

米国図書館協会(American Library Association, ALA)が毎年9月の最終週に開催する「禁書週間(Banned Books Week)」が9月25日より始まった。この1週間は、前年に「挑発的な本」として学校や図書館の本棚からの除去や利用規制の申し立てが届けられた本を通して、読む権利と情報アクセスの自由の価値を考える期間となっている。図書館協会によれば、2016年には323件の申し立てがあり、その多くが親や図書館利用者からのものであった。2016年の申し立てが多かった本トップ10には、絵本やグラフィック・ノベルなど、子ども・ヤング・アダルト向けの本もランクインしており、LGBTに関連したトピックを主題にしたものが目立つ。図書館協会は読む権利と自由を擁護する立場であり、実際にはこうした異議申し立ての多かった本が本棚から除去されることは少なく、今も入手できる状態であることを祝福している。図書館協会が発表した最も異議申し立ての多かった本トップ10は以下の動画や図書館協会のウェブサイトで確認できる。